※私が主宰する「政経文化フォーラム」において、去る2025年5月27日(火)に行った講演の要約を掲載しています。

 これからどうなっていくのか、トランプ氏がそう簡単にこの大きな勢力をやっつけられるとは思わない。どこまでやれるかというところだろう。今、イギリスの守旧派は、中国を取り込みにかかっている。イギリス守旧派と中国が組むことはそう簡単なことではないが、トランプ氏もプーチン氏もすべてを知っているので、色々な手を打っていくだろう。

 その時に日本はどうしたらよいのか。日本の政治家は残念ながら勉強していないので、本当のことをわかっている政治家はほとんどいないと言ってもいいだろう。アメリカのメディア、シンクタンクは大部分がディープステートに取り込まれていることから、日本のリーダーの人達も考え違いをする人も出てくるのだろう。

 ナショナリズムは国の基本である。それぞれの民族、国家には固有の歴史があり、そこに固有の伝統文化を作ってきている。国際社会を考えた時にインターナショナルというのは当然だと思う。インターナショナルはナショナリズムがあって初めてインターナショナルなのであり、グローバルとは基本的に概念が違う。ところが今、国際社会で一方的に言われているのは、グローバルな社会を作れば世界全体がよくなるのだということである。日本は極めてすばらしい国で昔から八百万の神を信仰する人々が居住している。地球上のあらゆる物質に魂が宿っているということを古代から信じてきたすばらしい民族であり、そういう民族の出番がいよいよ来るという感じがする。

 20世紀を代表するユダヤ人の物理学者アインシュタイン博士が大正時代に日本に来られて、1ヶ月半くらい滞在し各地で講演をされた。日本を立ち去る時にアインシュタイン博士は「20世紀の文明はいずれ行き詰まりを迎えるだろう。その行き詰まりを打開し、救うのは日本民族以外にあり得ない」と言われた。「我々は神に感謝しなければいけない。この地球上に日本という崇高な民族を作ってくれたことを」とまで言ってくれた。そのことの意味を日本のリーダーはもっと真剣に考えていかなくてはいけない。

 いわゆる世界統一政府を目指す勢力によって、ナショナリズムや伝統文化が壊されていくことに対して、敢然と「それは違う。本当の平和はそういうところからは生まれてこない」と言い続けるのが日本の役割ではないかと思う。

 敬愛する白樺派の作家・武者小路実篤の言葉に「人は人 我は我 されど仲良き」がある。まさに国際社会はそういうものだと思う。80億人の人々が唯一無二の個性をお互いに認め合っていく。そこから本当の平和が築かれるのではないか。より多くの方々にそういった考え方を理解していただければ幸せに思う。(了)